連載4「特別養護老人ホームこはく苑はこうして生まれ変わった」和泉逸平

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第2章 解決への第一歩

 

第1章では、業務量と職員の稼働状況を考慮した上での、適切な人員配置・シフトについて基礎データを収集してきました。いよいよ改善活動のスタートです。

この業務改善活動には、介護経営サポートを行っているサスケアリンク様に協力を依頼しました。

https://suscare.net/

 

 

 1.まず働く環境を整える

第1章で、勤務の不公平感がスタッフのストレスを大きくすることが分かりました。1人勤務が無くなるよう、モデルシフトを策定し、不足している人材像を明確にして、求人を行うこととしました。

 

 

図2―1 インターネット求人実施

 

求人は、これまでハローワークや新聞折込チラシ、マイナビなど地域の紙媒体を中心に行ってきましたが、今回は有料でのインターネット求人にすることにしました。依頼先はサスケアリンクの知恵袋であるGSコンサルディング(以下、GSさん)にしました。

 

正直に言います。インターネット求人でこんなに集まるとは思っていませんでした。

 

GSさんとはオンラインミーティングで打ち合わせを進めました。どんな求人にするのか、アドバイスも頂きながら、またやるべきことも明確に指示してもらいました。

打ち合わせから約1ヶ月、図2-1のような求人情報がindeedに掲載されました。

これまで、一般の求人応募は1年で5件程度、縁者の紹介以外ではなかなかスタッフを確保することができていませんでした。

まず、求人をスタートさせたのはデイサービスの運転手、掲載直後から問い合わせが続き、3日間で7件の応募がありました。年代も様々、若い人も年配者も来られました。

インターネット求人を開始してから約1年、応募総数は50件を超えました、人員も充足することができました。GSさんの細かい対応は幅が広く、単に有料サービスにすればいいわけではないようです。

 

【要注意】

今回、インターネット求人情報を利用させてもらいましたが、数時間後からは私たちの事業所名で給与を1万円程度高く設定した求人がたくさん出てきました。私たちは他にどこにも依頼していません。そして事業所への人材派遣、外国人留学生・技能実習生の電話が急増します。こんなに見ている人がたくさんいるのだなと実感します。

 

 

 2.コミュニケーションツールの導入

新型コロナウイルスの感染対策も行いながらの業務改善活動なので、オンライン環境も見直しました。行政からの連絡もオンライン化が進み、とりあえず管理者のZOOMミーティング参加には対応しました。

次は、スタッフ間の環境整備です。

 

 

図2―2 タブレットでの情報共有

 

介護記録はすでにICT化していましたが、タブレットは介護記録の入力のみに利用していました。

事業所では2006年に導入していたGoogleWorkspaceを再度活用し、介護記録以外でもタブレットを活用できるよう研修を行いました。

 

 

図2-2-2 GoogleWorkspace

 

Gmail、Meet、チャット、ドライブ、カレンダー、サイト、youtubeの使用を始め、ICT機器に慣れることに重点を置きました。

 

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2022.04.13