スタッフの定着率を上げなければ!

先日知恵袋の方と定着率について話をしました。
介護労働安定センターが毎年実施している「介護労働実態調査」のデータもその時に拝見させて頂きました。
令和元年度のデータですので、コロナ前の状況になりますが、とても参考になりました。
http://www.kaigo-center.or.jp/report/2020r02_chousa_01.html

介護職員の過不足の状況は、「大いに不足」が13.5%、「不足」が22.2%、「やや不足」が34.0%。あわせて69.7%となりました。 これは過去10年間で最悪の水準となります。
介護業界全体の離職率は15.3%と概ね減少傾向にあるものの、まだまだ高い水準となっています。
また、派遣労働者を受け入れている事業所の介護事業収入に占める派遣料金の割合のデータもありました。平均8.6%で、前回調査の7.5%から1.1ポイント上昇していました。
最高は15.1%の訪問看護。訪問介護や通所介護は10%強でした。
人手不足から採用コストが上がり、派遣の費用も上がり、介護事業者の収益がますます厳しくなっています。
これまでかかっていた採用コスト、派遣コストをスタッフの定着のために活用したいと考えている介護事業経営者は多いのですが、どうしたら良いだろうと悩んでいらっしゃる方が多くいらっしゃるようです。

定着率を上げる=退職者を減らすことですが、今回の調査で仕事を辞めた理由のデータもありました。(複数回答しています)
1位 結婚・妊娠・出産・育児のため  26.0%
2位 職場の人間関係に問題があったため 16.3%
3位 自分の将来の見込みが立たなかったため 15.6%
4位 収入が少なかったため 12.3%
5位 他に良い仕事・職場があったため 11.5%
となっています。

会社とスタッフ、またスタッフ同士のコミュニケーションを促進することで解決できることが多々あるので、自社のスタッフの声を聞き、一つ一つ丁寧に改善策を打っていくことが大切だと教えて頂きました。
特に大切なのがコミュニケーションです!
人間関係は2位に入っていますが、5位にも影響しており、良好な人間関係を築ける会社を選ぶ方は多くいらっしゃいます。
また3位の自分の将来についてはコミュニケーションと評価、キャリアアッププランによるところが大きいとのこと。コミュニケーションを通じて会社がスタッフの想いを理解し、会社として企業とスタッフの成長をリンクするよう理解してもらうが大切です。
会社が何を考えているかわからない、自分の成長と違う方向に向いているのではないかと不安に感じるスタッフの方は少なくありません。
直接的、間接的にコミュニケーションの量を増やす仕組みが重要で、
直接的なものとしては、
・定期的な上長との面談(目標・ストレスチェック・エンゲージメントチェックの活用も)
・施設長による日々の声掛け
・定期会議や朝礼での声掛けや伝達
間接的なものとしては、
・社内SNSツールの活用(掲示板やチャット)
・サンキューカードシステムの活用
・スタッフアンケートの活用
などが代表的なものです。

これらを上手に活用し、一人一人の方と限られた時間の中でコミュニケーションをとっていくことが大切なのだと思いました。
自社にあったやり方は何なのか専門家の方の意見も聞きながら、考えていかれると良いと思います。Sus! ケアリンクの知恵袋メンバーは多くの事例を知っていますので、いつでもご相談下さい。

2020.11.23